『GCHD Mk-2』はゲームキューブ専用のHDMIコンバーターです。
GCHDは“GamuCube HD“の略で、ゲームキューブ専用のHDMIアダプターです。「Mk-2(マークツー)」と名付けられているのは、以前発売されていた『GCHD』がリニューアルされたためです。
海外の”EON Gaming“という団体が開発した本製品は、2018年6月末から日本でもAmazon等で購入できるようになりました。
ゲームキューブはAVケーブル(三色端子)で主に映像を出力するゲーム機で、映像をHDMI出力する機能がありません。昨今発売されている液晶モニターにはAVケーブルの入力端子がないため、『AV to HDMIコンバーター』などでHDMI出力をするためにはAVケーブル出力を変換する変換器(コンバーター)が必要です。
しかしデメリットとして、映像に遅延が発生してしまい、コントローラーで入力した操作が映像に映し出されるまでに時間がかかってしまいます(体感0.5秒程度遅れます)。RPGのような入力速度や反応が必要のないゲームであればさほど気になりませんが、アクション系のゲームでは多少の映像遅延もストレスになり得ます。
そこで候補と挙がってくるのがゲームキューブ専用のHDMIコンバーター『GCHD Mk-2』です。『AV to HDMIコンバーター』と比較して映像の遅延が非常に少ないメリットがあります。その代わり、価格は2万円弱と高価です。
私は高いアクション性を求められる対戦ゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズDX』のプレイヤーで、『GCHD Mk-2』を使って何度も対戦して来た経験があります。
この記事では、『GCHD Mk-2』の機能やメリット、実際に使用した感想を踏まえて紹介します。また、『GCHD Mk-2』よりも低コストで低遅延にゲームキューブソフトをHDMI出力をする方法も紹介します。購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
また、本記事では下記の動画を参考にしています。より詳細に『GCHD Mk-2』について知りたい方は併せて参考にしてみてください。
Nintendo GameCube HDMI, Component & RGB Plug ‘n Play Solutions :: RGB316 / MY LIFE IN GAMING
『GCHD Mk-2』は少ない表示遅延でHDMI出力できるのが最大のメリット
『GCHD Mk-2』の最大の魅力は、表示遅延が限りなく少ないことです。
表示遅延とは、コントローラーで入力した操作が映像に反映されるまでの時間のことです。
例えばゲームキューブを従来の方法、AVケーブルでブラウン管に繋いでプレイする場合、表示遅延は約0~0.03秒(0~2フレーム)と言われていてほぼ無遅延と言えます。つまり、手元のコントローラーでジャンプボタンを押した瞬間に、ゲーム内のキャラクターもジャンプしてくれます。
『AV to HDMI コンバーター』ではAVケーブルのアナログ信号からHDMIのデジタル信号に変換をする分、モニターに映像が出力されるまでに時間がかかってしまいます。そのため、『AV to HDMI コンバーター』でジャンプボタンを押すと、ワンテンポ遅れてからゲーム内のキャラクターがジャンプする挙動になります。このような現象が起きると、瞬時の反応が求められるアクション系のゲームを快適に遊ぶことは難しいです。
それと比較して、『GCHD Mk-2』はD端子用のデジタル出力をHDMI出力できるように変換しているため、低遅延でのHDMI出力を実現しています。表示遅延は約0.05秒(3フレーム)とAVケーブルの出力とほぼ変わらない遅延でゲームをプレイすることができます。
これでもブラウン管よりもほんのわずかに遅く表示されていますが、アクション性の高いゲームでも気にならない程度に表示遅延を抑えられていると言えます。私も『大乱闘スマッシュブラザーズDX』で対戦を多くしてきましたが、表示遅延については全くと言っていいほど気になりませんでした。どちらかというと、ブラウン管とゲーミングモニターで映像の質が違うので、それに対する違和感の方が強いかもしれません笑
『GCHD Mk-2』の機能やメリットを紹介
『GCHD Mk-2』は低遅延以外の機能やメリットがあります。
映像や音声をセパレートできる
『GCHD Mk-2』は、ゲームキューブのアナログ信号とデジタル信号を同時に出力することができます。デジタル信号はHDMI端子から、アナログ信号はWii専用端子から出力が可能です。
3.5 mmジャックも付いていて、イヤホンや音声ミキサーなどのモニター以外にも音声を送ることができます。
A.海外ではゲームキューブの映像をキレイに表示させる方法としてコンポーネントケーブルを使用していますが、ゲームキューブのコンポーネントケーブルにはプレミア価格が付いており入手困難になっています。代わりに、Wiiのコンポーネントケーブルであれば比較的安価で手に入るため、Wiiのコンポーネントケーブルが使えるWiiの端子が『GCHD Mk-2』に搭載されています。
別途電力の供給が不要
『AV to HDMI コンバーター』では別途コンセントやUSB経由で電源を確保しなければなりませんが、『GCHD Mk-2』はゲームキューブ本体の電力を使用してくれるため別途電力の供給が必要ありません。配線がスッキリしますし、安定して電源を供給してくれるため映像や音声が乱れる心配が少ないです。
ゲームボーイプレイヤーもHDMIで遊べる
これはゲームキューブのメリットと言えますが、ゲームボーイプレイヤーもHDMI出力することができます。つまり、「ゲームボーイ」「ゲームボーイカラー」「ゲームボーイアドバンス」のソフトもHDMI出力で遊べます。ゲームキューブソフト以外にも、これらのソフトを遊びたい人にもおすすめできる商品と言えます。
『GCHD Mk-2』を購入する前の注意点
低遅延でゲームキューブをHDMI出力できる便利な商品ですが、購入前の注意点がいくつかあります。
初期版のゲームキューブ(DOL-001)でしか使えない
特に注意してほしいポイントです。
『GCHD Mk-2』は初期版ゲームキューブのコンポーネントやD端子用に用意されたデジタル出力をほぼ無遅延で変換することで映像をHDMI出力をしています。そのため、初期版のゲームキューブでしか『GCHD Mk-2』を利用することはできません。これらの機能は当時需要が少なかったため、後期版では機能を失っています。
初期版と後期版は、背面の端子の数か底に記載されている型番から把握できます。
背面に2個端子が付いている、または底面に【DOL-001】と記載されていれば初期版です。
中古ショップでゲームキューブを購入する際などは、必ず【DOL-001】と書かれたものを購入するようにしてください。
解像度が向上するわけではない
HDMI出力できるため勘違いを起こすかもしれませんが、ゲームキューブが出力できる解像度は480pが最大のため、『GCHD Mk-2』を使用しても480pまでしか出力ができません。HDリマスター版のように画質が向上するようなことは期待しない方が無難です。
ただしブラウン管や『AV to HDMI コンバーター』と比較して、色味や発色が鮮やかに見えたり、インターレース表示からプログレッシブ表示に変更することで画面のチラつきがなくなるなどから、映像はキレイに見えると思います。
まとめ:『GCHD Mk-2』は低遅延でHDMI出力ができるゲームキューブ専用のHDMIコンバーター
『GCHD Mk-2』は手軽にかつシビアにゲームキューブをHDMI出力で遊びたい人におすすめの商品です。
また、忘れてはいけないのはゲームボーイプレイヤーの存在。『GCHD Mk-2』があればゲームボーイアドバンスソフトも低遅延HDMI出力で遊ぶことができます。
ゲームキューブを現役で遊びたい方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。
この記事が参考になれば幸いです。